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ブロガーの本棚

日々平安録

http://d.hatena.ne.jp/jmiyaza/
書評掲載回数:64 回

このサイトで書かれた書評

07/19
2009 02:25
ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質
N・N・タレブ「ブラック・スワン」 (約4500字) - 日々平安録

前に同じ著者の「まぐれ」を読んでid:jmiyaza:20081012大変面白かったので読んで見た。印象としては「まぐれ」のほうがずっと理解しやすい本であった。著者は現職のトレーダーであり、前著では、話題が主として投資の世界に限定されており、しかも、サブプライム問題とかリーマン・・・・[続きを読む

07/13
2009 00:26
無礼講 酒気帯び時評55選
坪内祐三 福田和也「無礼講」 (約2200字) - 日々平安録

両氏が、安い食べ物屋や飲み屋で飲みながらしゃべりあったことを記録したという本である。最近の出版不況を反映した本というような気もする。坪内氏はなんだか今一つ胆力がないというような感じのひとで、昔、福田恆存にいかれたひとにしては迫力がいささか足りないような気がする。今の文筆家は仕入れ・・・[続きを読む

07/12
2009 00:28
バカヤロー経済学 (晋遊舎新書 5)
竹内薫 「バカヤロー経済学」 (約7900字) - 日々平安録

このようなタイトルではあるが、内容は「バカヤロー日本政治」あるいは「バカヤロー官僚支配」である。著者の竹内氏は理科系の人で、ホーガンの「科学の終焉」「続・科学の終焉」の翻訳者として知っていた。経済学の素人として、経済の専門家に一から経済について聞いていくという体裁になっている。そ・・・[続きを読む

07/08
2009 00:52
経済成長という病 (講談社現代新書)
平川克美「経済成長という病 退化に生きる、我ら」 (約5500字) - 日々平安録

平川氏はかつて内田樹氏と翻訳会社を設立、今はシリコンバレーと日本でヴェンチャー的な会社を経営しているひとである。リーマン・ショック以来の世界状況をふまえて、経済成長が本当にわれわれが今後もめざすべき道なのだろうかということを問うている。主張をみれば橋本治氏と似ているが、橋本氏が作・・・[続きを読む

07/02
2009 00:49
日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で
水村美苗「日本語が亡びるとき」 (約8500字) - 日々平安録

水村氏の本を読むのははじめてである。前に岩井克人氏の「資本主義を語る」を読んだとき、最後のほうの対談で、岩井氏の対談相手として水村氏がでてきた。なんだか変に親しげな会話ぶりで、何だこれは?と思ったのだが、あとから二人はパートナーであるらしいことを知った。しかし夫婦で公的に対談など・・・[続きを読む

06/07
2009 00:27
吉本隆明1968 (平凡社新書 459)
鹿島茂「吉本隆明1968」 (6)結論 (約7200字) - 日々平安録

「少し長めのあとがき」で鹿島氏はトッドの「帝国以後」とハインゾーンの「ユース・バルジ」論という人口動態学の本を紹介し、それに依拠して、「われわれ団塊の世代とは、「飢えや文盲の克服」がうまくいったあとに大量に誕生したユース・バルジの世代であり、「栄養も教育も十分に与えられている」が・・・[続きを読む

06/06
2009 01:06
吉本隆明1968 (平凡社新書 459)
鹿島茂「吉本隆明1968」 (5)大衆の原像 (約3600字) - 日々平安録

1960年代における吉本隆明の最大の魅力であり、吉本氏が多くの信者を獲得した理由となったのは、論戦において論敵をばったばったとなぎ倒していくその舌鋒の鋭さ、その啖呵の小気味よさにあったのだと思う。そのときに使われた一番の武器が「大衆の原像」という言葉であった。たとえばこんな風にで・・・[続きを読む

05/31
2009 02:11
吉本隆明1968 (平凡社新書 459)
鹿島茂 「吉本隆明1968」 (4)高村光太郎と四季派の詩人たち (約7400字) - 日々平安録

ちょっと気になって調べてみたら、吉本氏は1924年生まれ、吉行淳之介も同じ年の生まれで、山田風太郎は1922年生まれだった。吉行氏は厭戦派だろうか?「戦中派不戦日記」の山田青年は愛国青年であるかもしれないが、吉本氏とはずいぶんと肌合いが違う。同じ世代でも戦争に対する反応はさまざま・・・[続きを読む

05/26
2009 00:08
吉本隆明1968 (平凡社新書 459)
鹿島茂 「吉本隆明1968」 (3)芥川龍之介の死 (約6200字) - 日々平安録

芥川龍之介の死を論じるこの章あたりからが本書の一番問題な部分となってくる。鹿島氏が採用するのが社会的出自論(個人の思想をその人の出自から説明しようとするいきかた)だからである。これは還元主義ではないかという批判がおきることは氏も充分に自覚していて、それでも「吉本隆明がその思想的な・・・[続きを読む

05/24
2009 02:01
吉本隆明1968 (平凡社新書 459)
鹿島茂 「吉本隆明1968」 (2)転向 (約2900字) - 日々平安録

転向についての吉本氏の論はかなり有名だと思うので、内容の詳細ははぶく。周知のごとく(かどうかはわからないが)氏は転向を二つにわける。有名な佐野・鍋山の転向と、宮本顕治の非転向である。そして宮本顕治の非転向をこれも一種の転向だとしたのが吉本転向論の肝である。知識人が知識を身につけ論・・・[続きを読む

05/23
2009 21:40
吉本隆明1968 (平凡社新書 459)
鹿島茂 「吉本隆明1968」 (1)反スターリニズム&反=反スターリニズム (約5200字) - 日々平安録

吉本隆明を「偉いよ、ものすごく偉い」という鹿島氏が、その偉さにピンとこない若いひとたちにむけて「なぜ、われわれ団塊の世代は吉本隆明を偉いと思うのか」ということを懇切丁寧に噛んでふくめるように縷々切々と説いた本である。本当はもっともっと書きたかったのではないかと思うが、新書という制・・・[続きを読む

05/17
2009 23:13
フランス革命 (ヨーロッパ史入門)
T・C・W・ブラニング「フランス革命」 (約5900字) - 日々平安録

「啓蒙主義」「アンシャン・レジーム」ときて、今度は「フランス革命」。三点セットである。ボードリヤールに「湾岸戦争は起こらなかった」という本があるが(読んでいないので、どんなことが書いてあるのかはしらない)、「フランス革命は起こらなかった」とでもいうような本である。もちろんフランス・・・[続きを読む

05/11
2009 01:28
アンシャン・レジーム (ヨーロッパ史入門)
W・ドイル「アンシャン・レジーム」 (約4900字) - 日々平安録

R・ポーターの「啓蒙主義」が面白かったので、同じ「ヨーロッパ史入門」シリーズの一冊である本書を読んでみることにした。実に当たり前のことであるが、アンシャン・レジームというのはフランス革命がおきてからできた言葉である。その時代に生きていたひとが自分の時代を「アンシャン・レジーム」な・・・[続きを読む

05/06
2009 01:26
啓蒙主義 (ヨーロッパ史入門)
R・ポーター「啓蒙主義」 (約12000字) - 日々平安録

本文が100ページちょっとの本であるが(それに10ページ以上の訳者解説と20ページ弱の参考文書、6ページほどの日本語文献案内がつく。それぞれがとても充実している)、とても内容の濃い本であると思った。ポストモダン思想は一時の力をもたなくなったとされるけれども、それでも反=近代の思想・・・[続きを読む

05/03
2009 01:13
英語のバカヤロー! ~「英語の壁」に挑んだ12人の日本人~
古屋裕子編「英語のバカヤロー!」 (約4500字) - 日々平安録

古屋裕子さんというかたが、養老孟司、竹中平蔵、中村修二、上野千鶴子、板東眞理子、浅野史郎、明石康、本川達雄、酒井啓子、松沢哲郎、古川聡、福島孝徳の計12名に、「英語の壁を前にして地団駄を踏み、涙を流した過去」についてインタヴューしたものである。人選の要件は「二十歳を過ぎて、英語圏・・・[続きを読む

04/30
2009 00:46
『こころ』は本当に名作か―正直者の名作案内 (新潮新書)
小谷野敦「『こころ』は本当に名作か 正直者の名作案内」 (約19000字) - 日々平安録

漱石の『こころ』を論じたものではなく、副題のように、どのような文学作品を薦めるかを示したものである。小谷野氏の読書量は驚くべきもので、前の『里見紝伝』でも里見氏の全作品を読んだといい、そんなことは「時間さえ掛ければ誰にもできる」とこともなげに書いていたが、本書でも「十年くらい前か・・・[続きを読む

04/23
2009 00:15
なにを買ったの? 文房具。
片岡義男 「なにを買ったの? 文房具。」 (約1300字) - 日々平安録

片岡氏は小説家であると思うが、その小説は読んだことがない。「日本語の外へ」「影の外に出る」「音楽を聴く」などは読んだことがあり、ちょっと日本人離れした、乾いた、もたれ合いをきらう独特の感性のひとという印象をもっている。本書は文房具を選び、それを写真にとって、文をつけたといったもの・・・[続きを読む

04/19
2009 11:51
「知」の革命家ヴォルテール―卑劣なやつを叩きつぶせ
小林善彦「「知」の革命家ヴォルテール」 (約7000字) - 日々平安録

著者の小林氏によれば、名のみ有名な(あるいは名前もそれほどは有名ではないかもしれない)ヴォルテールについて、その全体像を示すような研究が日本にはまったくないのだそうである。翻訳に限ってもエイヤーというひとの「ヴォルテール」があるくらいとのことであり、「それならば私がやろう」という・・・[続きを読む

09/02
2007 14:38
ダーウィンの危険な思想―生命の意味と進化
D・デネット「ダーウィンの危険な思想」 その1 (約7900字) - 日々平安録

思うところがあって、ダーウィンがさまざまな思想にあたえた影響について少しまとめて考たいと思う。その手がかりとして、この本を読み返してみることにした。読み返すとしたが、前に読んだのは大分前で、引かれた傍線をみると、三分の二ほどのところで抛り出してしまったようである。内容もほとんど忘・・・[続きを読む

08/26
2007 13:07
思想の死相―知の巨人は死をどう見つめていたのか
仲正昌樹「思想の死相 知の巨人は死をどう見つめていたのか」 (約11500字) - 日々平安録

駄洒落みたいなあまり趣味のよくないタイトルだと思うけれでも、著者の案ではなく版元の編集者の発案なのだそうである。仲正氏が前に出した「デリダの遺言」という本があり、その副題が「『生き生き』とした言葉を語る死者たちへ」となっているのだそうで、それを継続・深化させたものとしてこのタイト・・・[続きを読む