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新着書評 RSS 著者名:北森鴻 - RSS

著者名「北森鴻」で書評を検索しました。(全 12 件 / 1ページ目)
06/06
2010 07:00
暁の密使 (小学館文庫)
暁の密使 (約900字) - 本の宇宙(そら) [風と雲の郷 貴賓館]

明治時代といえば、仏教にとって受難の時代だろう。廃仏毀釈の嵐が吹き荒れ、仏教は存亡の危機に瀕していた。そのような中、仏教最高のために、経典を求めて、チベットを目指した一人の青年僧がいたという。東本願寺を本山とする真宗大谷派の僧侶・能海寛(のうみゆたか:1869年(明治元)-190・・・[続きを読む

05/29
2010 21:03
花の下にて春死なむ (講談社文庫)
花の下にて春死なむ (約900字) - 本の宇宙(そら) [風と雲の郷 貴賓館]

「蓮丈那智フィールドファイルシリーズ」を読んで以来、北森鴻の小説が気になっている。冒頭に掲げた歌は、西行法師が詠んだものとして有名であるが、この歌から表題をとった北森氏の作品が(北森鴻:講談社)である。この作品は「香菜里屋(かなりや)」というビアバーに集まる常連客の身辺で起こった・・・[続きを読む

05/14
2010 07:00
深淵のガランス (文春文庫)
深淵のガランス (約1400字) - 本の宇宙(そら) [風と雲の郷 貴賓館]

北森鴻の作品には、美貌の異端民族学者である蓮丈那智や、やはり美貌の女旗師である宇佐見陶子など強烈な個性の主人公が登場するが、この(文藝春秋)に登場する佐月恭壱もかなりの個性を持って登場してくる。何しろいきなり冒頭で、「異形の者」といった形容だ。痩身で総髪、濃紺の作務衣に白足袋、雪・・・[続きを読む

05/07
2010 08:00
孔雀狂想曲 (集英社文庫)
孔雀狂想曲 (約600字) - 本の宇宙(そら) [風と雲の郷 貴賓館]

骨董を扱った北森鴻の作品と言えば、美人旗師(店舗を持たない古物商)の宇佐見陶子が活躍する「冬狐堂シリーズ」が有名であるが、もうひとつ、(集英社)という作品もある。しかし、こちらの方の主人公である越名集治は、陶子とは異なり、下北沢の片隅にちゃんと店を構えている。店の名前は、「雅蘭堂・・・[続きを読む

05/02
2010 07:30
写楽・考―蓮丈那智フィールドファイル〈3〉 (新潮文庫)
写楽・考 (約600字) - 本の宇宙(そら) [風と雲の郷 貴賓館]

写楽の名を知らない人はまずいないであろう。江戸時代に活躍した浮世絵画家で、独特のデフォルメされた役者絵で知られている。しかし、この写楽、その正体は謎につつまれているのだ。(北森鴻:新潮社)は、これまでこのブログでも紹介してきた、異端の女性民俗学者とその助手が、民俗学上の出来事と現・・・[続きを読む

03/13
2010 08:00
屋上物語 (祥伝社文庫)
屋上物語 (約800字) - 本の宇宙(そら) [風と雲の郷 貴賓館]

この物語の主人公は、「さくら婆ァ」と呼ばれる、デパート屋上の立ち食いうどんやの主。北森作品には、宇佐見陶子や蓮丈那智のような個性的な主人公が出てくるが、この「さくら婆ァ」も相当強烈な個性のキャラである。実際には「婆ァ」と呼ばれる程には歳をとってはおらず、昔は美人だったという証言も・・・[続きを読む

12/22
2009 23:37
冥府神の産声 新装版 (光文社文庫 き 12-4)
冥府神の産声 (約700字) - 本の宇宙(そら) [風と雲の郷 貴賓館]

人の「死」は、いつから始まるのだろう。言いかえれば、人はいつ「死んだ」と言えるのか。心臓の停止か?呼吸の停止か?脳の活動停止か?ちょっと考えてみれば分かるように、これは、宗教上の教義や個人の感情、法律的な問題なども入り組んで、非常に難しい問題である。最近は、医学的には、「脳死」を・・・[続きを読む

08/17
2009 00:29
ぶぶ漬け伝説の謎―裏(マイナー)京都ミステリー (光文社文庫)
ぶぶ漬け伝説の謎―裏(マイナー)京都ミステリー/北森鴻 (約700字) - 猫は勘定にいれません

京都の禅寺・大悲閣で寺男として働くアルマジロこと有馬次郎。一見すれば少し目端が効くばかりのどこにでもいる青年だが、実は京都を縄張りにした凄腕の泥棒という過去を持っていた。その因果が報いたか、新聞記者の折原けいやミステリ作家崩れのボンちゃんといた面々に引きずられ、毎回おかしな事件に・・・[続きを読む

06/15
2009 13:27
狂乱廿四孝 (角川文庫)
(書評)狂乱廿四孝 (約700字) - 新・たこの感想文

明治3年。脱疽のため、両足を失った天才女形・澤村田之助の復帰講演に沸く江戸。しかし、そんな夜、彼の主治医が何者かに惨殺される。騒ぎの中、河鍋狂斎の描いた幽霊画にとりつかれる五代目・尾上菊五郎。次々と起こる事件。戯作者見習いの峯は、その調査を始め…巻末、解説の西上心太氏の言葉に「江・・・[続きを読む

05/09
2009 22:42
屋上物語 (祥伝社文庫)
北森鴻『屋上物語』 (約1200字) - 本読みの憂鬱

デパートの屋上を舞台とした連作ミステリ短編集。短編集とは言っても各編は前後の物語で互いに密接しており,リレー小説めいた趣向があるのが面白いところです。また,各編の語り手が無生物というのも特徴的。いささか変化球的な設定ですが,内容は本格的なミステリという乖離が楽しいです。デパートの・・・[続きを読む

04/12
2009 11:42
なぜ絵版師に頼まなかったのか
北森鴻『なぜ絵版師に頼まなかったのか』 (約1300字) - 本読みの憂鬱

開国間もない明治初期を舞台とした連作ミステリ短編集。エルウィン・フォン・ベルツを始めとして幾多の歴史上の人物が多数登場するのが楽しいです。時代背景的にも江戸から東京への過渡期を扱っているのが大変お気に入り。話を追う毎に変容する社会とその中で成長する主人公の姿が興味深いです。医学者・・・[続きを読む

02/06
2008 14:05
写楽・考―蓮丈那智フィールドファイル〈3〉 (新潮文庫)
北森鴻『写楽・考 蓮丈那智フィールドファイルiii』(新潮文庫) (約1400字) - Weep for me - ボクノタメニ泣イテクレ > 書評

こうしてみると、民俗学と探偵はよく似ている。民俗学は残された痕跡から遠い過去を推理する。探偵は残された痕跡からそれほど遠くない過去を推理する。いずれも、確実な答えなどない。より蓋然性の高い答えを導き出し、知り得るすべての手掛かりについて整合性が保たれているかどうかを検証する。齟齬・・・[続きを読む