時折書房
書評掲載回数:213 回
このサイトで書かれた書評
2010 05:27 |
伊藤たかみ『そのころ、白旗アパートでは』
(約700字) - 時折書房
『ミカ』で鮮烈な印象をうけたこの作家さんについては、そのあとに読むもの読むものみんな、どことなく煮え切らなさみたいなものが、かっこつけたがりみたいな感じと相俟って、意味もなくもどかしいような、でも、何だかこの人の感覚わかるよな、みたいに思うところがあったのでした。そんな伊藤たかみ・・・[続きを読む] |
2010 07:51 |
浦沢直樹『20世紀少年』
(約600字) - 時折書房
ふと突然読みたくなったのでした。約一週間かけて、ちびりちびり読んできていたのですが、土曜日に残りの8冊をまとめて買ってきて読了、しました、ゴール。とにかく続きが読みたくなる!じりじりとした展開に、読者を巧妙に引っ張っていく匠の技が満載でした。最終的に中心として切り取られることにな・・・[続きを読む] |
2010 05:51 |
黛まどか・茂木健一郎『言葉で世界を変えよう』
(約700字) - 時折書房
この週末はふっと浦沢直樹の『20世紀少年』が突然読みたくなって、とりあえずBOOKOFFで10巻まで買って読み耽っていました。その隙間を縫っての散漫な読書となったのがこの本でした。菊池桃子ファンだった私は、菊池桃子に何となく似ている黛まどかさんもそういう意味で気になっているところ・・・[続きを読む] |
2010 06:28 |
椰月美智子『市立第二中学校2年C組』
(約900字) - 時折書房
ある一日を、朝6:47から夕方18:58まで、市立第二中学校2年C組のクラスメイトの一人がヒューチャリングされ、その子それぞれの悩みや関心事に即したショートストーリーが編まれていくのです。連続性はある程度あるものの、とはいえ、語りたい中心が前提としてあって、その中心が次第に明確な・・・[続きを読む] |
2010 16:48 |
岡田尊司『アスペルガー症候群』
(約1100字) - 時折書房
この本、三か月ほど私のデスク上の積読本タワーにずっとありました。興味があったからこそ買いはした(特別支援教育の理解が叫ばれている昨今でもありますし、この本の煽情的な帯コピーも気になったのでした)ものの、何となく読みにいけないでいたのですが、つい先日、ある研修会で発達障害にかかわる・・・[続きを読む] |
2010 06:25 |
内田樹『街場のメディア論』
(約1300字) - 時折書房
私も最近折に触れてまくしたててもいることなのですが、とにかくニッポン人の浅薄さと、そこに大きな影響力を行使しているマスコミの異常な浅薄さ、というか、浅薄かつ単純な煽動ぶりに、ちょっとこんなので本当にいいんだろうか?!という思いを禁じえなかったのです。たとえば最近で言えば、民主党と・・・[続きを読む] |
2010 06:10 |
釈徹宗・内田樹・名越康文『現代人の祈り』
(約600字) - 時折書房
内田樹センセイ本としては、驚くほどの退屈さでした。唯一、最初の対談がなんとか楽しめたという程度。希代のファンタジスタも、違いを見せつけるためのスペースを見いだせないと、ゲームから消えてしまうこともあるんですね。釈さんとの相性が悪いのかもしれません。ただ、現代を「呪いの時代」ととら・・・[続きを読む] |
2010 05:23 |
宮下奈都『よろこびの歌』
(約800字) - 時折書房
ただ、実は、はじめは、この本を普通の短編というか普通の短編連作かと思い、スタートの表題作「よろこびの歌」にがっかりしていました。なにこれ?!みたいな感じ。これじゃあ、広げた風呂敷がしっかり畳まれていることにならないじゃない、中途半端な感動的ラストシーンに、かえって、その未完成性を・・・[続きを読む] |
2010 09:07 |
星野智幸『俺俺』
(約1300字) - 時折書房
想像なんですが、世間で"おれおれ詐欺"が大流行しているという現象を、星野さんは、相当な驚嘆と衝撃とをもって受け止められたんじゃないでしょうか。そう思うのは私もそうだったから、です。別に気鋭の作家を私レベルに引き付けて新しい"俺俺ネットワーク"をつくりたいわけではありません。"おれ・・・[続きを読む] |
2010 05:47 |
川島隆太・藤原智美『脳の力こぶ』
(約800字) - 時折書房
上の「商品の説明」のところでも引かれているのですが、川島教授は、「あとがき」の中で、「本書では、いままでの私が語ってこなかった部分が、かなりのていど語られています」と述べています。私も、そう感じました。というか、それは、嘘です。なぜなら、私は、川島教授の書かれる本を誠実に無視しつ・・・[続きを読む] |
2010 05:55 |
宮下奈都『遠くの声に耳を澄ませて』
(約1300字) - 時折書房
一つ目の印象がとてもよかっただけに、期待が3/4、残りの1/4は前回のがたまたまの大当たりだったら悲しいな、せっかくいい作家さんと出会えたかもと思えていたのに、みたいな感じです。で、今回は、短編集、それも、登場人物がゆるゆると微妙に複数の短編をまたいで現れてくる、軽度記憶障害の私・・・[続きを読む] |
2010 08:06 |
伏木亨『おいしさを科学する』
(約900字) - 時折書房
というのも、私、はるか昔、教員採用試験をうけたとき、そのとき課された作文の題というものが「味」だったのですが(そんな抽象的なことばから思い思いの教育的論考につなげさせるという感じの出題がよくなされていたのでした)、私の頭に真っ先に浮かんだのが「うま味」というものだったのです。『包・・・[続きを読む] |
2010 05:40 |
東浩紀・宮台真司『父として考える』
(約1000字) - 時折書房
えいっと読みはじめて、一気にノンストップで読み終えました。そのくらいには面白い対談でした。というか、基本的に同調できる内容だったんだと思います。ただ、『父として考える』というタイトルに顕われているこの本のコンセプトについては、看板と中身が違うというだけでなく、編集者側の失敗という・・・[続きを読む] |
2010 18:28 |
宮下奈都『スコーレNo.4』
(約600字) - 時折書房
少女の「ひとりの女性への道のりを描く」ドラマであるにもかかわらず、いい歳をしたおやじである私が読んで、そのドラマに対して全然断絶感というかギャップのようなものを感じることがありませんでした。それどころか、一人の少女が、自分が窮屈な自分でしかないことの呪縛を柔らかく解かれて、とはい・・・[続きを読む] |
2010 20:47 |
平尾誠二・金井壽宏『型破りのコーチング』
(約1000字) - 時折書房
平尾誠二さんは、私にとって、同世代のヒーロー中のヒーローです。神戸製鋼七連覇の頃は、相当ラグビーにはまっていたものでした。そのワンプレーに、その一つの言動に、新しさという風を感じていました。それは、いうなれば、新しい日本という風、といってもいいほどの。その頃までに出された組織論に・・・[続きを読む] |
2010 05:22 |
上田紀行『「肩の荷」をおろして生きる』
(約700字) - 時折書房
この方の問題意識のあり方を、私は、とても貴重なものだと感じています。その打開策となると、ちょっと安直というか、ロマンチシズムに偏りすぎというか、あまり現実的に受け止められないようなところはありはするものの、でも、その現実認識はいたって現実的であって、日本のこれからへの憂慮の仕方に・・・[続きを読む] |
2010 05:24 |
原武史編『「知」の現場から』
(約700字) - 時折書房
ところが(いきなりですみません)、驚くことに、ほとんどがあまり面白いものではなかったのです。どうしたことか!そんな恐るべき結果の仮説は、ひとつ、あります。でも、ここでは、夏の紳士らしく、気だるく申しあげません。ただ、"あらかじめ約束された救い"といってはなんですが、内田樹センセイ・・・[続きを読む] |
2010 05:15 |
椰月美智子『フリン』
(約1200字) - 時折書房
"反道徳小説"とかいわれて、読み終えてしっくりくる読者はほとんどいないでしょう。そういう惹句こそがちょっと時代がかったつくりものっぽいですよね。いやあ、岩隈・田中・永井でのよもやの3連敗という楽天を救ったのは、ラズナーだったのでしょうか、長谷部、いや、藪?そんなことはどうでもいい・・・[続きを読む] |
2010 15:07 |
大島真寿美『ビターシュガー』
(約900字) - 時折書房
頭痛と肩凝りに悩まされています。昨日久々ということで、缶ビールを一気に6本もあけてしまったから、でしょうか。さて、角田光代さんの『ひそやかな花園』がちっとも面白くない、というショック(これは、作品の不出来具合にショックを受けたというよりは、角田さんの作品を"面白くない"などと思う・・・[続きを読む] |
2010 21:01 |
内山節『清浄なる精神』
(約700字) - 時折書房
たまたま手にした本書も、私の能天気な頭の後方にどっかんと突き刺さる、特に酷暑の中で海胆化した脳髄を一気にぐんにゃりさせてしまうほどの刺激でした。そして、思いました、この時代、内山節のことばは、20年前よりも10年前よりも、より効く、と。私は"社会音痴"なものですから、ここに書いて・・・[続きを読む] |





















