日々平安録
書評掲載回数:63 回
このサイトで書かれた書評
2010 02:57 |
小谷野敦「日本文化論のインチキ」(1)
(約17100字) - 日々平安録
日本文化論が好きな人間なので、その手の本を相当数もっている。この本は日本文化論をなで切りにした本だろうと思い、自分の感想と比較してみると面白いかなと思って買ってきた。しかし、必ずしもそのような本ではなく、文化比較方法論のような部分もあり、人文科学方法論のような部分もあるということ・・・[続きを読む] |
2010 00:41 |
D・ロッジ「ベイツ教授の受難」
(約1600字) - 日々平安録
イギリスの現代の作家ロッジの最新の小説の翻訳である。最近、なんとなくイギリスの小説を読みたい気分になっているのと、新聞でこれが老人問題をあつかっていると書いてあったので読んでみた。ロッジは「コミック・ノヴェル」の大家ということなのだが、読み始めた当初はどこかで似たような小説を読ん・・・[続きを読む] |
2010 23:24 |
小方厚「音律と音階の科学」(1)
(約4500字) - 日々平安録
本書を読んで今まで根本的に誤解していたことがあることに気づいた。楽音と非楽音(雑音?)の違いとでもいうのだろうか?木琴のように一定の長さの木片を叩くと楽音がでると思っていたのだが、両端が固定されていない木片は叩いても整数倍音がでないのだそうである。それが整数倍音を出すようにするた・・・[続きを読む] |
2010 02:27 |
kawade 道の手帖「倉橋由美子」(1)
(約8800字) - 日々平安録
この「kawade道の手帖」というシリーズはほかにはもっていないので、どのようなことを企図したシリーズなのかはよくわからない。必ずしも文学者を特集するのではないらしく、宮本常一や西田幾多郎の名があり、さらには空海、また小林多喜二と「蟹工船」、さらには靖国問題入門などといったものま・・・[続きを読む] |
2010 17:42 |
D・J・レヴィティン「音楽好きな脳」
(約8100字) - 日々平安録
音楽と脳について書いてある何かいい本がないかなと思っていたところ、丁度、そういう本をみつけた。感想は「そんなことまでわかってきたのか」というのと、「まだそれしかわかっていないのか」が混合した奇妙なものであった。わたくしが一番知りたいと思っていたのは、人間以外の動物が音楽にどのよう・・・[続きを読む] |
2010 16:05 |
中井久夫&丹生谷貴志「奇妙な静けさとざわめきとひしめき」in 「統合失調症 1」&「吉田健一頌」
(約6100字) - 日々平安録
わたくしが中井氏の名前をはじめて知ったのがいつのことだったか覚えていないが、おそらく丹生谷貴志氏の吉田健一論「奇妙な静けさとざわめきとひしめき」を読んだときではないかと思う。1990年に刊行された「吉田健一頌」という本の一篇として収載されていた(丹生谷氏の名前を知ったのもこの本で・・・[続きを読む] |
2010 00:06 |
村上春樹「1Q84 Book3」
(約3000字) - 日々平安録
昨年、book1と2が刊行されてしばらくして、book3がでるか、友人と賭けをした。ないほうに賭け、負けてしまったが、book2ではいろいろなことが決着がついていない、だから続編があるというのがその友人の主張であった。むしろ未解決の謎をたくさん残すことで、読者にいろいろなことを考・・・[続きを読む] |
2010 01:14 |
E・ボウエン「日ざかり」
(約2100字) - 日々平安録
これはイギリスの女流作家エリザベス・ボウエンの1949年刊行の長編小説を吉田健一氏が翻訳したものである。第二次世界大戦中のロンドンを舞台にしたもので、「主人公ステラの恋人であるロバアトは、ダンケルクで負傷した後に、内地勤務を命じられて、全体主義に共鳴している彼は敵側のスパイとなっ・・・[続きを読む] |
2010 16:52 |
木田元・計見一雄「精神の哲学・肉体の哲学」
(約13200字) - 日々平安録
哲学者の木田元氏に精神科医の計見一雄氏が西洋哲学史について講義を受けるという形の対談形式の本である。計見氏は精神科医だから、当然“精神”の病気をあつかう。心臓病は心臓の病気、肝臓病は肝臓の病気、では精神病は精神の病気といえるか?、というのが計見氏がもつ問題意識である。そうであるな・・・[続きを読む] |
2010 16:05 |
S・シン&E・エルンスト「代替医療のトリック」
(約13700字) - 日々平安録
著者のシンは、「フェルマーの最終定理」「暗号解読」などを書いている科学ライター、もう一人のエルンストは、紹介によれば世界初の代替医療の分野における大学教授とある。医療研究者とされているが、物理学で博士号をとったと書いてあり、臨床家であるのかどうかはよくわからない。こういうタイトル・・・[続きを読む] |
2010 00:36 |
佐々木俊尚「2011年 新聞・テレビ消滅」
(約3500字) - 日々平安録
こういうタイトルであるが、主眼は情報を伝達するための手段がこれから変わっていくだろうという話である。広告もまた情報であるから広告の話も大きな比重をしめることになる。広告の媒体がかわっていくから新聞もテレビも駄目になっていくだろうということでもある。アメリカのメディア業界でおきたこ・・・[続きを読む] |
2010 01:14 |
高田里恵子「文系知識人の受難」in 「日本思想という病」
(約8500字) - 日々平安録
この本は偶然書店で見つけたものだが、高田里恵子さんの名前があったので買ってきた。芹沢一也さんと荻上チキさんというひとがやっているシノドスという何なのだろう、一種の思想運動体?が主催しておこなっているセミナーの記録らしい。芹沢さんというひとは知らないひとで、荻上さんというひとも名前・・・[続きを読む] |
2010 00:55 |
ダフ・クーパー「タレイラン評伝」
(約1300字) - 日々平安録
開高健・谷沢永一・向井敏の鼎談「書斎のポ・ト・フ」の中の「文学のなかの政治的人間」を論じた「手袋の裏もまた手袋」で紹介されている6冊のうち、フランス革命に関係するものは3冊であるが、ツヴァイクの「ジョゼフ・フーシュ」とアナトール・フランスの「神々は渇く」はすでにここでとりあげた。・・・[続きを読む] |
2010 03:32 |
清水幾太郎「倫理学ノート」 第一章「ケインズ、ロレンス、ムア」
(約3900字) - 日々平安録
おそらくもう読むひともほとんどいないであろうこの本をいま読んでみる気になったのは、上村忠男氏の「ヴィーコ」(中公新書2009年)のはじめの方に、「清水幾太郎は、倫理学の危機、というよりは経済学に代表される現代の社会科学が倫理の問題にかんして行きあたっているアポリアについて反省をめ・・・[続きを読む] |
2010 01:47 |
池田信夫「希望を捨てる勇気」
(約9900字) - 日々平安録
池田氏の本を読むのは「ハイエク知識社会の自由主義」についで2冊目であるが、同じ著者が書いたのだろうかといささか面食らった。「ハイエク」に池田氏自身が書いているように、ハイエクの思想はその背後には「近代の合理主義を攻撃し、人間の「無知」をすべての理論の前提に置く一種の不可知論」があ・・・[続きを読む] |
2009 22:54 |
内田樹「日本辺境論」
(約9800字) - 日々平安録
巻頭の「はじめに」になんだか奇妙なことが書いてある。この本には独創性はなく、体系性がなく、厳密性もないが、それについての批判には一切答えるつもりはないというのである。独創性がないというのは、すべて先人の説の受け売りであるということであり、体系性がないというのは、思いつきで書いてい・・・[続きを読む] |
2009 19:36 |
磯部朝彦「私の生きた時代 ジャーナリストのDNAで考える」
(約3100字) - 日々平安録
この本はほとんど一般には知られていないと思う。たまたま著者を存じ上げている関係で御恵投いただいた。著者は1933年生まれ、日銀の国際畑やIMFで主として活躍されたかたである。といって、本書はいわゆる自分史ではない。固定相場制から変動相場制に移行を決定した1973年のパリでのIMF・・・[続きを読む] |
2009 01:52 |
中島梓「転移」
(約8400字) - 日々平安録
読んでいて気が重くなってきた。闘病記であるからではない。変な民間療法に走ったりすることもなく、急に回心して受洗するなどということもなく、闘病記としては(とてもおかしな言いかただけれども)まともなものである。にもかかわらずなんとも言えない気持ちになってくるのは、その時々の経過の記載・・・[続きを読む] |
2009 13:38 |
隆慶一郎「吉原御免状 隆慶一郎全集1」
(約3900字) - 日々平安録
かなり以前、網野善彦氏の本をいろいろと読んでいたことがある。「無縁・公界・楽」とか「異形の王権」とか本当に面白かった。アジールという言葉をそこではじめて知ったのかどうかはもう思い出せないが、病院は一種のアジールなのではないかといったことを考えて、余計に面白かったのかもしれない。歴・・・[続きを読む] |
2009 00:20 |
A・フランス「神々は渇く」 アナトール・フランス小説集 2
(約1500字) - 日々平安録
これも前の「ジョゼフ・フーシュ」同様、開高健・谷沢永一・向井敏の鼎談「書斎のポ・ト・フ」の紹介によって知った。大分前に見つけ買ったままになっていたが、「ジョゼフ・フーシュ」を読んだので、関連するものとして思い出して読んだ。アナトール・フランス(はじめて読んだ)という昔の小説家によ・・・[続きを読む] |




















