早尾貴紀:本のことなど
書評掲載回数:70 回
このサイトで書かれた書評
2010 21:12 |
ジャン・ジュネの伝説的な名ルポルタージュ、単行本となって刊行!『シャティーラの四時間』インスクリプト
(約900字) - 早尾貴紀:本のことなど
ジャン・ジュネ『シャティーラの四時間』(鵜飼哲/梅木達郎=訳)、インスプリプト、2010年昔の『インパクション』51号でしか読めなかった、ジュネ、伝説のルポルタージュ。インタヴューや関連資料やジュネ論を併せて、ついに一冊に。1982年、イスラエルはレバノン侵攻。当時レバノンを拠点・・・[続きを読む] |
2010 09:29 |
パレスチナを象徴するハンダラ君(ナージー・アル・アリーの風刺漫画)、ついに刊行!
(約700字) - 早尾貴紀:本のことなど
ナージー・アル・アリー『パレスチナに生まれて』、ジョー・サッコ序文、露木美奈子訳、藤田進監修、いそっぷ社、2010年パレスチナに行くとあちこちに見られる、この男の子の後ろ姿「ハンダラ君」。壁に描かれたり、キーホルダーやペンダントに象られたり。ハンダラ君は、風刺画家ナージー・アル・・・・[続きを読む] |
2010 06:45 |
沖縄発の雑誌から生まれたアイヌ・部落・反差別の本、竹内渉『北の風 南の風』
(約800字) - 早尾貴紀:本のことなど
竹内渉『北の風南の風ーー部落、アイヌ、沖縄。そして反差別』、解放出版社、2009年ここでも何度か紹介してきた沖縄からの雑誌『けーし風』連載の記事を中心にまとめた一冊。約15年間も書き継がれた文章を中心に、テーマ別に再配列。『けーし風』には、日本の、世界の、さまざまな地域の運動を紹・・・[続きを読む] |
2010 12:55 |
鳩山首相が退陣表明をして、沖縄の米軍基地問題は? 田仲康博『風景の裂け目ーー沖縄、占領の今』
(約700字) - 早尾貴紀:本のことなど
昨日、鳩山首相が退陣表明。支持率低下の原因の一つには、明らかに、沖縄の米軍基地移転問題への対応のまずさがあっただろう。迷走した挙げ句に自民党政権時代の案とほぼ変わらない案に落ち着いたことが、激しい失望と怒りを引き起こした。人によっては、しかし、そのままなあなあで議論もせずに進める・・・[続きを読む] |
2010 21:48 |
裁判員、冤罪、死刑急増でどうする? 伊藤和子・寺中誠『裁判員と死刑制度』(新泉社)
(約700字) - 早尾貴紀:本のことなど
伊藤和子・寺中誠『裁判員と死刑制度――日本の刑事司法を考える』(新泉社、2010年)本書は、大学で行なわれた二人の講演をそれぞれまとめ、さらに二人の対談を収録したものです。分かりやすい講演に加え、学生らとの質疑応答も入っており、また最新動向をふまえた二人の対談で補足。ひじょうに読・・・[続きを読む] |
2010 14:02 |
フレドリクソン『人種主義の歴史』(李孝徳訳、みすず書房)と、その書評
(約600字) - 早尾貴紀:本のことなど
ジョージ・M・フレドリクソン『人種主義の歴史』(李孝徳訳、みすず書房、2009年)ヨーロッパのユダヤ教徒の人種化、植民地主義とともに生じた「黒人奴隷」、そしてナチスのホロコーストと、南アのアパルトヘイト。これらをレイシズムのイデオロギーとして、体系的に説明した好著。おそらく、文庫・・・[続きを読む] |
2010 09:39 |
徐京植『植民地主義の暴力ーー「ことばの檻」から』(高文研)とトークセッション
(約600字) - 早尾貴紀:本のことなど
冒頭に、日本の植民地主義を直接的に論じた二本。とくに、「和解という名の暴力──朴裕河『和解のために』批判」は、僕も関わってきた和解論批判のなかで、現時点での集大成的な論考。僕にとっては、かなり決定的な批判になっていると思うけれども、これでもなお朴裕河氏とか上野千鶴子氏は、このナシ・・・[続きを読む] |
2010 19:59 |
ボヤーリン兄弟に続いて、シオニズムに抵抗するユダヤ教解釈、ラブキン『トーラーの名において』
(約900字) - 早尾貴紀:本のことなど
ヤコヴ・ラブキン『トーラーの名において――シオニズムに対するユダヤ人の抵抗の歴史』、菅野賢治訳、平凡社、2010年以前からここで紹介してきた、ボヤーリン兄弟による『ディアスポラの力』(赤尾・早尾訳、平凡社、2008年)も、ユダヤ教に内在するユダヤ人国家否定の思想を、ディアスポラ主・・・[続きを読む] |
2010 10:52 |
ロシアでの多発「自爆テロ」に関連して、何冊かのチェチェン関連本
(約900字) - 早尾貴紀:本のことなど
◆大富亮『チェチェン紛争』(ユーラシア・ブックレットno.94)、東洋書林、2006年◆ムサー・アフマードフ著『チェチェン民族学序説――その倫理、規範、文化、宗教=ウェズデンゲル』年、翻訳:今西昌幸、寄稿:林克明、編集:大富亮、高文研、2009◆アンナ・ポリトコフスカヤ、『チェチ・・・[続きを読む] |
2010 08:29 |
井筒俊彦の著作集未収録のエッセイ集『読むと書く』
(約700字) - 早尾貴紀:本のことなど
井筒俊彦氏は、本当に知の巨人だと思う。まさに古今東西の哲学・宗教・言語学を熟知した井筒氏の仕事を、○○研究者というかたちでカテゴライズすることは不可能だ。しかも、西洋思想も東洋思想も、いや、「西洋/東洋」の区分そのものを根底から問い直すような縦横無尽さ。研究者でもあるが、それには・・・[続きを読む] |
2010 06:48 |
雑誌3冊紹介、『オルタ』、『インパクション』、『コンフリクトの人文学』
(約1200字) - 早尾貴紀:本のことなど
毎度紹介してます『オルタ』(アジア太平洋資料センター)は、特集が「社会的企業――地域・仕事・連帯社会をつくる」。最近ちょっと注目されているようで、先日テレビのドキュメンタリーでも特集をしていた。一般的には、「社会問題の解決を目的として収益事業に取り組む事業体=ソーシャルビジネス」・・・[続きを読む] |
2010 11:39 |
アイヌに関する二冊の重要書、佐々木昌雄『幻視する〈アイヌ〉』と榎森進『アイヌ民族の歴史』
(約1000字) - 早尾貴紀:本のことなど
まずは、60年代から70年代にかけての短い期間にアイヌとして鋭い詩作と批評を展開し、どこかへ失踪した佐々木昌雄の全発言を集成した『幻視るする〈アイヌ〉』。とりわけ、『亜鉛』と『アヌタリアイヌ』の二つの雑誌に連載された批評文は、アイヌ当事者の発言として、70年代前後の言論のなかでは・・・[続きを読む] |
2010 23:14 |
ユダヤ人、ホロコースト、イスラエル、、、『プリーモ・レーヴィは語る』
(約1000字) - 早尾貴紀:本のことなど
マルコ・ベルポリーティ編『プリーモ・レーヴィは語る――言葉・記憶・希望』多木陽介訳、青土社、2002年最近、サラ・ロイの『ホロコーストからガザへ』の重版が出たので、重版にあたって文章をチェックしながら再読。そこでロイと対談をしている徐さんが論及していた、プリーモ・レーヴィ最後のイ・・・[続きを読む] |
2010 12:05 |
ベヴェニスティ氏との対談相手、上村英明氏の重要書、『先住民族の「近代史」』
(約600字) - 早尾貴紀:本のことなど
上村英明『先住民族の「近代史」――植民地主義を超えるために』(平凡社、2001年)まもなく来日のメロン・ベンヴェニスティ氏。その対談相手である上村英明氏の重要書がこれです。先に『知っていますか?アイヌ民族一問一答』を紹介しましたが、こちらはアイヌだけに限定されず、世界の近代史にお・・・[続きを読む] |
2010 09:13 |
途絶えることのないネグレクトによる幼児虐待死、、、再掲:杉山春『ネグレクト』
(約1700字) - 早尾貴紀:本のことなど
今週、報道されただけでも、二件のネグレクトによる虐待死があった。埼玉県と奈良県で、4歳と5歳。いずれも餓死するほどのネグレクト状態であった。年間日本で100人を越えている幼児虐待死。3日に一人は殺されている計算になるし、死に至らないまでも、深刻かつ継続的な虐待は無数にある。「別の・・・[続きを読む] |
2010 09:32 |
日本語で哲学するとは?――熊野純彦、『日本哲学小史――近代100年の20篇』(中公新書)
(約1000字) - 早尾貴紀:本のことなど
熊野さんと言えば、『西洋哲学史』(岩波新書)、『現代哲学の名著』(中公新書)、『和辻哲郎』(岩波新書)と、怒濤のごとく新書を編み続けていますが、今度はこれ。今度すごいのは、福沢諭吉から始まり、西田や三木、和辻や九鬼を経て、戦後の市川浩や坂部恵にいたるまで、第一部「近代日本哲学の展・・・[続きを読む] |
2010 17:52 |
変貌する中国社会を映す、『ジャ・ジャンクー 「映画」「時代」「中国」を語る』以文社
(約700字) - 早尾貴紀:本のことなど
ジャ・ジャンクー、『ジャ・ジャンクー「映画」「時代」「中国」を語る』、丸川哲史・佐藤賢訳、以文社、2009年重要な仕事を生産し続けている丸川哲史さんは、中国・台湾の映画も多く論じてきました。映画を通じた社会表象を論じてきたと言うべきか。そして今度出された翻訳のジャ・ジャンクーは、・・・[続きを読む] |
2010 18:11 |
上村英明氏の『知っていますか? アイヌ民族 一問一答(新版)』ーーベンヴェニスティ氏対談相手の本
(約800字) - 早尾貴紀:本のことなど
上村英明、『知っていますか?アイヌ民族一問一答(新版)』、解放出版社、2008年前回紹介のイスラエルの政治学者、メロン・ベンヴェニスティ氏の来日講演・対談企画のなかで、対談相手をされるアイヌ・先住民族研究者、上村英明氏のアイヌ入門書。1993年初版のものを新たに刊行。序文に故・萱・・・[続きを読む] |
2010 12:01 |
沖縄の「自治」を考える――松島泰勝『琉球の「自治」』と宮城康博『沖縄ラプソディ』
(約800字) - 早尾貴紀:本のことなど
宮城康博『沖縄ラプソディ――〈地方自治の本旨〉を求めて』、御茶の水書房、2008年明日に迫ってきたシンポジウム「「独立/自立/自治」を考えるーー沖縄、奄美、ヒロシマ」に関連して、重要書を二冊紹介。一冊目の松島泰勝氏の『琉球の「自治」』は、基本的には「開発」こそが自立・自律をダメに・・・[続きを読む] |
2010 11:11 |
占領経済・「開発」を問う、鳥山淳編『イモとハダシ――占領と現在』(社会評論社)
(約700字) - 早尾貴紀:本のことなど
前回も紹介しました、『沖縄・問いを立てるシリーズ』をもう一冊。これまた充実した一冊ですし、今度開催する「「独立/自立/自治」を考えるーー沖縄、奄美、ヒロシマ」とも深く関わる内容です。もちろん4章の安里英子さんは、今度のシンポのパネリストの一人。「開発」がいかに自然環境を破壊し、そ・・・[続きを読む] |



















